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2006年07月25日
こんな倒産辛かった 4
信用金庫時代、保険会社時代そして現在と数多くのお客様の倒産に遭遇しました。倒産に至る過程で私が余計なことを言ってしまったり、余計な手続きをしてしまったがために私も少し痛い目にあった経験がいくつかあります。今回はお客様のある預金を担保に取ったことで倒産直前にトラブルというか大苦情になった事例を紹介します。
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お客様に融資をする際、よく行われていた手続きとして保全のため定期預金を担保に取るということがありました。
会社の預金だけでなく、代表者や代表者の奥様、時には子供の預金をとることもありました。
それがきっかけで大トラブルになることがありました。
担保預金の否認です。
どういうケースかというと、融資していた会社が倒産します。当然、貸し出したお金を回収するため担保に取っていた預金と融資を相殺します。ところがその際に倒産した会社の社長の家族が突然言い出すのです。
「私は預金を担保に差し出した覚えがありません」
このケースほとんど信金側が負けてしまいました。
なぜかというと預金の契約、担保手続きの署名いずれも社長による代筆であるためです。
したがって保証意思の確認がとれずその担保預金部分については融資との相殺が否認、結果いわゆる非保全債権が発生ということがありました。
預金を勧誘する際に「社長、奥様の名前でやっておいて」とか「お子様の名前で契約がないのでお子様名義でお願い」などと頼み、いざ担保に入れる際にも社長に担保預金差入証を記入させてしまっていたのでした。
幸い私はこんな痛いケースはありませんでしたが、個人事業主のお客様でこんなケースがありました。
この事業主様も業績が悪化の一途をたどっている上に、販売先も業績が懸念される先でその会社の手形の割引が増える一方でした。
業績が非常に厳しく、融資判断も非常に難しい先だったので、通常の先の融資相談は営業の私が受けているのですが、この事業主は店に来店してもらう形態で行っていました。
毎月の積立の集金のみ私が担当していました。
ある日、奥様が年金を受け取れる年齢になったので、年金受給の手続きを行いました。
年金については使わないで大事にしておきたいということで、年金の分は定期積金にすることになりました。
定期積金を契約する際に奥様は「この預金については担保に入れないでね」とお願いされました。
私も「これを担保にすると年金を担保に入れることになるので、融資相談係に入れないように伝えておきますよ」と答えました。
そして数年後・・・
このお客様の業績がいよいよ悪化してきたので、奥様の預金も全部担保に入れることになりました。
奥様の預金を担保に入れることは説明済みで担保預金差し入れ証に奥様の自署はしてあるが、押印はまだとのことでした。その日たまたま奥様に別件で用事があったのでその分も私が預かってくるよということで預かったのがトラブルの始まりでした。
その後、懸念されていた販売先が不渡りを出したのです。
主力の売り先であり、この会社が潰れれば当然このお客様も連鎖倒産します。
そのときにこのお客様が担保預金についていろいろ言い出したのです。
私がついでに預かった預金の中に例の年金を定期積金に契約していた分も混じっていたのです。
このことにお客様が怒りだしました。
お客様曰く「お前が年金まで担保に取るから俺は商売のやる気をなくした」とものすごい剣幕で怒りだしました。ちなみにこのお客様の借り入れ総額は数億円、年金から定期積金にしていた分は百万円にもならない金額です。
私も金庫からのこの先は危ないとのアドバイスを無視して、自分の商売の失敗を棚に上げてこのような事を言い出すお客様に対しいいましたが、当時の会話のやり取りは私の明らかな失言でした。
とはいえ年金の分は他の銀行に預金しなさいとも言えないので難しかったのですが、少なくとも預金を契約するべきではありませんでした。
預金の担保差し入れ自体は本人の自署捺印であり手続き上の問題はなかったのですが、なんとも後味の悪い結末でした。このトラブルの数日後、このお客様夫婦は夜逃げしてしまいました。
第三者の預金を担保に取るときや保証意思の確認には十分気をつけなければなりません。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
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投稿者 fp-one : 2006年07月25日 16:08
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