目次
最近の傾向
日本政策金融公庫の「中小企業経営力強化資金」制度について、最近の傾向を書きます。
自己資金、創業計画書・事業計画書については今までと変わりませんが、始めようとする事業の経験を求められるようになりました。
もともと日本政策金融公庫の創業融資制度には代表的なものとして「新創業融資制度」と「新規開業資金」があり、この二つの制度の要綱を見ると、どちらにも共通した条件があります。
「現在の企業に継続して6年以上勤務している、または現在の企業と同じ業種に通算で6年以上勤務しており、新たに始める事業も同様の事業である。」とあります。
「中小企業経営力強化資金」の要綱にはこの条件はありません。条件は
1.経営革新又は異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により市場の創出・開拓(新規開業を行う場合を含む。)を行おうとする方
2.自ら事業計画の策定を行い、中小企業等経営強化法に定める認定支援機関による指導及び助言を受けている方
の2つです。この中には特に経験による条件はなく、むしろ新事業分野の開拓を行おうとする方を支援する制度です。
経験が求められるようになったという事は、経験がなく起業してこの制度を利用した個人事業主や法人の廃業・倒産が多いのではないかと考えられます。これは私の推測であって確かなものではありません。また、マイナス金利のご時世ですが、この制度の金利はすこしづつ上がってきているのも気になるところです。
経験がないからといって、この制度が利用できないということはありません。
経験がないにも関わらずその事業を始めようと思ったきちんとした動機・熱意、市場を分析調査した事業計画書、起業のために計画的に貯めた自己資金があればこの制度の融資を受けることは十分可能です。
2,000万円まで無担保・無保証、低金利、自己資金要件なし(現実的にはゼロでは厳しい)と起業・開業を考えている方には、理想的な融資制度です。
経営革新等支援機関を利用して、大いにこの制度を活用しましょう。