金融機関の合併でお客様が被る不利益②


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資金使途や利用する会社の企業規模によって融資金額のロットは当然違ってきます。

その金額によって融資の可否を決める最終権限者も当然違ってきます。

その権限はまちまちですが私が勤めていた信用金庫ですとおおまかには支店稟議と本部稟議というくくりで分けられていました。

支店稟議というのは文字通り支店長の判断で融資の可否が決まるものでつまり支店長がOKの印を押せば融資が実行になります。

本部稟議というのは支店長だけでなく本部の融資部とか審査部といった部署の決裁もなければ融資が実行にならないというものです。

本部稟議はその分融資の実行になるまでの日数がかかります。

支店稟議は支店長の印があればOKなので、極端な話当日申込の当日融資実行などという形態がまかり通ったりします。今日の今日融資書類を預かるのはとんでもないことで、これをやるのはもっぱら支店の都合(たとえば融資の実行が支店の成績になるときで追い込みの時)でお客様の信用・保全状態が間違いない時に限られます。

そしてこの支店稟議ですが、その支店の規模によって支店長の権限金額も違っています。

私が勤めていた信用金庫の場合、役員(理事)が支店長も兼任している店舗ですと1億の権限があり、大型店舗ですと4000万円とか5000万円までとか権限があり、小型店舗ですと2000万円とか最も少ないケースですと500万円以上になるともう本部稟議になってしまうなんてケースもあります。

かつてこんなことがありました。

私が担当していたほとんどのお客様を信用金庫の合併に伴い別の支店に移す(移管)ことになりました。その時は何事もなく移管できたのですが、1週間ほどしてその支店、そして私のところに苦情が殺到しました。なぜならば・・・

私がいた支店の支店長の融資権限は4000万円で移管先の支店の支店長の融資権限は500万円だったのです。

したがってほとんどの取引先は本部稟議になるため、従来は1日~3日くらいで決裁・実行になっていた融資が、1週間ほどかかるようになったり、従来恒常的に行われていた融資形態が否決になったりしました。

もともと資金繰りがアバウトでぎりぎりまで動かない中小零細企業のお客様は大パニックになりました。

その移管したお客様の地域の一部別のお客様は引き続き私が担当していたので、500万のお客様の前も通り過ぎたりするので、呼び止められては苦情や愚痴を聞かされしばらくは針のムシロ状態でした。

融資取引がある会社様で現在支店長決裁で難なく融資が受けられている場合は、もし取引支店が変わることになったら、決裁の権限を確認してください。ひょっとしたら痛い目にあいますよ。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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