役員貸付金の解消スキーム①


 中小零細企業の場合、社長が会社に貸付を行っているケースが多いです。資金繰りの関係上給与を取らなかったり、個人預金を会社に回したりして貸付となります。これはいわば会社を維持するための努力であり、この場合は金融機関としても実質自己資本として一定の評価をしますが、逆に会社が社長や役員に貸し付けているケースにも出くわします。
これは金融機関の評価としては大きな減点要因となります。このことについて書いていきます。

信用金庫勤務時代のお客様で決算書の資産の部に社長宛の貸付金が1億以上計上されていた会社がありました。毎年決算書を預かるたびに金額は1千万単位で増えていました。理由は子供の学費(医学部と留学)その他諸々だったのですが、自分の会社のお金なので社長も基本的に返す意思がありません。

一方で、その会社の決算書を預かると本部の審査部で財務分析という作業を行うのですが、分析終了後は毎年お約束のようにこのような指摘を受けていました。

毎年増えているこの社長宛の貸付金は資産とはいえません。減少させる算段を報告のこと!

我々にこのような指摘をされてもどうにもならず、最終的にその会社は

役員貸付金を資産の部から控除するとこの会社は債務超過、よってこの会社を要注意先(破綻懸念先)とする。

との評価になってしまいました。以降の融資は原則不可、回収に専念という方針です。

役員貸付金や仮払金として計上されるケースとしては

・マージン的なお金が時折発生し、通常の処理ができず社長への貸付金・仮払金で処理していた(建設業等に多いようです)

・個人事業主から法人成りする際に資産に移行できなかった部分を貸付金などで処理した(医療法人に見られるようです)

・その他友人などにお金を転貸する手段として会社から社長宛に貸付金が発生したとか、今回のケースや中には関与していた税理士が何でもとりあえず貸付金・仮払金で処理してしまったというケース

などがあるようです。

貸付金なので当然利息が発生します。認定利息といわれるこの利息は法人の決算書上収益になり、税金の対象になりますが、当然社長が払うわけはありません。しかしその部分の税金は会社が支払うことになります。余計な資金繰りの発生です。

また社長が支払わなかった認定利息部分は未収入金として資産にさらに上積みされることとなり、不良資産として金融機関から推定され、さらに減点が加算されるという流れになります。

最終的にはその債務を社長は払うことができずに退職金などで相殺するということとなり、とても惨めな幕引きとなってしまいます。

社長の放漫経営が要因で決算書のほかの部分も惨憺たる場合はどうにもならないですが、やむなき要因で貸付金が計上されていて、ほかの部分が問題ない場合はこの役員貸付金を解消して、将来の社長の退職金の原資となり、金融機関の格付けのアップに寄与する方法があります。

次回はこの解消スキームについてふれたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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