仕事柄金融機関との取引についてアドバイスを求められることがあります。お客様の実情を踏まえた上でこちらも真剣に提案し、真剣に金融機関に対処するようアドバイスします。しかし、その対処がなかなかうまくいかないようで・・・
先日のブログ(実効金利に気をつけろ)にて歩積両建預金の危険性を述べました。
業績がまずまずのときまではいいのですが、業績が悪化した後は大きな負担となります。
以前のブログ(プロパー融資と担保預金②)で書いたお客様のところにある提案があって訪問しました。
実はその提案自体は大したことではなくて、きちんと取引金融機関に交渉することができたのか気になり確認したかったので訪問しました。
業績の悪化に伴い毎月の割賦金と積金約200万円が大きな負担となっていたので約120万円の負担減になる提案とその実行方法を教えていました。120万円の負担減でかろうじて回る資金繰りです。
金融機関も防衛に必死なので強い決意を持って交渉に挑むようアドバイスしていました。結果は・・・
交渉に敗れ50万弱の負担減といわゆる追い貸しを受けている状態で終わっていました。
提案した私に何の損得があるわけではありませんが、その経営者としての弱さに怒りを覚えて果たしてそれでいいのかと喝を入れてしまいました。このままでは倒産もありえます。
私自身、信用金庫時代歩積両建預金とその相殺防止で中小零細企業の体力を奪っていた時期があったので、まあいわば罪滅ぼしの意味もあり(笑)困っているお客様には損得を考えずにそのときの経験を踏まえアドバイスしています。ですのでお客様にも大きな決意と覚悟を持って挑んでいただきたいのですが、その口調は自身の会社よりも金融機関の担当者をいたわる様な口ぶりでした。
今回のお客様は私と年齢も近く、本音で話していた間柄でしたのでかなり感情をむき出しに喝を入れてしまいました。
でも終わってしまったことなのでどうにもできません。幸いこのお客様は近く大きなお金が入るので会社自体は安泰なのですが残念でした。
実はこのようなケース、今回だけでなくこの手のお客様はほぼ例外なく金融機関に負けてしまいます。人がいいので押し切られてしまうようです。
ですが家族・従業員を背負っているという立場を忘れずにここ一番では挑んでほしいと思います。
これからも私の提案が空回りに終わろうともアドバイスは続けていきます。
ここまでお読みいただきありがとうございます。